別居中の不倫でも慰謝料は支払わないといけないの?不貞慰謝料請求された時の対処

別居中であっても、不倫は法律上の婚姻関係に影響を及ぼす重大な行為とされています。

そのため、別居している状況下でも、婚姻関係が法的に継続している限り、不倫は配偶者の権利を侵害する行為とみなされます。

別居中の不倫でも、慰謝料は、原則支払わなければなりません

別居の背景にはさまざまな理由があると思いますが、例えば単身赴任や子育てのための一時的な別居、あるいは夫婦関係の改善を目的とした一時的な冷却期間など、婚姻関係がまだ存続していると認識される状況では、不倫は明確な不法行為とみなされます。

この場合、不倫を行った側は慰謝料を支払う義務があるとされ、その金額は別居の状況、不倫の期間や具体的な状況などによって決定されます。

不倫による慰謝料の相場って?

不倫による慰謝料の相場は、ケースによって大きく異なりますが、一般的には数十万円から300万円程度になります。

また、繰り返される不倫や長期間にわたる不倫関係は、慰謝料額を高める要因となります。また、配偶者が不倫により受けた精神的苦痛の程度も慰謝料の額に影響します。

具体的な金額は、不倫の事実、期間、影響範囲、夫婦の関係性など多くの要因に基づいて決定されるため、慰謝料請求された金額が妥当であるか否かは弁護士など法律の専門家に判断を仰ぐのが良いでしょう。

婚姻関係が破綻しているか否かがポイントです

婚姻関係の破綻状況は、不倫による慰謝料請求において重要なポイントとなります。

事実上、夫婦関係が完全に終了し、双方が別々の生活を送っている状態であれば、婚姻関係は破綻していると見なされることがあります。

この場合、不倫行為が発生しても、慰謝料請求の正当性は低くなる可能性があります。婚姻関係が破綻しているかどうかの評価は、別居の期間、夫婦間の交流の有無、経済的な独立性、離婚に向けた具体的な行動などに基づいて行われます。

完全に破綻していると認定されれば、不倫による慰謝料請求が棄却される可能性があるでしょう。

別居でも婚姻関係が維持されているとみなされるケース

単身赴任・別居婚

単身赴任や別居婚は、夫婦が離れて生活することを選択したものの、婚姻関係を維持し、定期的に連絡を取り合い、互いの絆を保つケースです。

このような状況では、婚姻関係は健全とみなされ、夫婦関係は依然として強固です。

ここで不倫が発生した場合、被害を受けた配偶者は、相手方の行為が婚姻関係に対する明確な裏切りであると主張し、慰謝料を請求しやすくなります。法律的には、物理的な距離にかかわらず、貞操義務等の婚姻の約束を守る義務があり、これを破った場合、慰謝料の支払い義務が生じます。

短期間の別居および別居開始直後

短期間の別居や別居開始直後は、まだ婚姻関係が破綻していないとみなされることが一般的です。

ある程度の期間を決めた上での別居であれば同居状態に当然戻りますし、別居開始直後であれば数ヶ月後に同居を再開する可能性がゼロではありません。

そのため、このケースでは慰謝料請求が認められる可能性は高いでしょう。

一方的な別居

このケースでは、別居を決定した側が婚姻関係を継続する意思を持っていると解釈されることが多いため、婚姻関係が破綻しているとは見なされにくいです。

このような状況で不倫が発生した場合、慰謝料請求が認められやすくなります。

法的には、一方的な別居を決めた配偶者にも、婚姻関係を維持する責任があり、この期間中に不倫が行われた場合、それは婚姻に対する重大な背信行為とみなされるからです。

数年以上に渡る別居は婚姻関係の破綻が認められやすい

一方で、別居状態が長期間続き、双方の生活が完全に分離している場合などは、婚姻関係が破綻していると認められやすいケースがあります。

数年以上続く別居は、法律的には婚姻関係が破綻していると見なされやすい状況です。

例えば、双方が異なる住所で生活し、経済的にも自立している場合、夫婦関係は名目上のみと見なされ、この状況下で生じる不倫に関しては、慰謝料請求が認められないことがあります。

別居中の不倫で慰謝料請求された際の対処方法

別居中の不倫が原因で慰謝料請求を受けた場合、まずは下記の内容を確認し、冷静な行動を心がけましょう。

婚姻関係が破綻しているか確認しましょう

慰謝料請求に対処するためには、まず婚姻関係が法的に破綻しているかどうかを確認する必要があります。

婚姻関係の破綻状態は、慰謝料請求の可否に直接影響します。例えば、長期にわたる別居や両者間の関係性の希薄化など、婚姻関係が事実上終了していると判断されれば、慰謝料請求が棄却される可能性が高まります。

相場からかけ離れた金額を支払う必要はありません

慰謝料の請求額が市場の相場から大きくかけ離れている場合、その金額を無条件で受け入れる必要はありません。

慰謝料の相場を理解し、過大な請求には適切に対処することが重要です。適正な慰謝料額を算出するためには、具体的な不倫の事情や婚姻関係の状況を評価する必要があります。

弁護士に相談し、示談での解決をおすすめします

不倫による慰謝料請求を受けた際は、法的なアドバイスを得るために弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士は、ご相談者様の状況に最も適したアドバイスを提供し、示談交渉を通じて問題の解決を図ります。示談による解決は、裁判に比べて時間とコストを節約できるため、多くの場合において有利な選択肢となります。

また、前述した高すぎる慰謝料請求には適切な反論を行いますし、示談に伴う不当な要求などにも毅然と対応することでご相談者様の権利を守ります。

不倫をしてしまったこちらに非があるとはいえ、常識の範疇を超えた要求に応じる必要はありません。

不倫の慰謝料請求は弁護士にご相談ください

別居中の不倫やその他の男女トラブルに直面した際は、弁護士に相談することが最善の策です。

岡山に根ざした当法律事務所では、初回相談を無料で提供しており、経験豊富な弁護士が迅速かつ丁寧にご対応いたします。オンライン面談も可能なため、遠方にお住まいの方や多忙な方も気軽にご相談いただけます。

まずはお気軽に無料相談をご利用いただき、現在のご状況をお聞かせください。経験豊富な弁護士が最善策を一緒に考えます。



監修者:
弁護士法人西村綜合法律事務所 代表弁護士 西村啓聡

[経歴]
東京大学卒業
第2東京弁護士会登録、岡山弁護士会登録

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