姑のいじめによる離婚ー嫁いびりの例や慰謝料請求について解説

姑からのいじめは離婚原因になるか

「嫁姑問題」といわれるように,姑との不仲は古くからある問題ですが,現代においても,「家族や親族と折り合いが悪い」という理由で,離婚原因のランキングに決まって上がるものの一つとなっています。

夫・妻別の主な離婚事由についてはこちらをご覧ください

嫁いじめの典型的な例

姑からのいじめの典型的な例としては,次のようなものが挙げられるでしょう。

 

姑が嫁にだけ差別的な態度をとる

嫁を家族の一員とは認めず,嫁にだけ粗末な食事を与えたり,自分の息子や孫とは親しい関係を築きつつ,嫁だけを一方的に無視するなどして悪意を向けてきたりするような場合や,嫁の外見,経歴や人格を中傷するような内容の暴言を吐く場合が考えられます。

 

息子夫婦の生活に過剰に干渉してくる

最初から敵対心をあらわにしてくるパターンと,あくまで家のルールを教えるというスタンスをとる姑がいますが,いずれにしても,結婚して独立した子世帯に過干渉するという点では一致しています。

家事,夫婦の生活,子育からプライベートまで全ての場面で姑からの助言という名の口出しがついてまわります。生活をすべて姑に監視されているようなプレッシャーとストレスから,だんだん顔を合わせるだけでも精神的苦痛を味わうようになっていきます。

 

嫁の親のことを見下し,馬鹿にするような言動をとる

嫁いびりをする姑というのはなぜか嫁家に対する対抗心が強く,婿家の方が嫁家よりも格上だと思い込み,嫁家に対する競争心を燃やしている場合が少なくありません。嫁の親を貶めることで,間接的に嫁の人格を否定しようとしているともいえるでしょう。

自分のことは何を言われても構わないが,親のことを悪く言われるのは耐えられないと離婚を決意する女性も多いことから,嫁親に対する姑の暴言は,離婚の直接の引き金になりやすいといえるでしょう。

 

影で暗躍する姑

表面的にはよい関係を築けているような態度を取られているものの,姑以外との関係がうまくいっておらず,妙に周囲からの風当たりが強いと感じる場合,実は自分がいないところで,姑が夫や孫を自分の味方に付けて,嫁を孤立させようとしていることがあります。

このような間接的な嫁いじめの場合,姑に取り込まれている夫を味方にすることもできず,夫婦関係の改善を図ることが困難な場合が多いです。親権や慰謝料をあきらめないためにも,早いうちに弁護士に相談して信頼できる味方を増やすことが重要になってきます。

 

夫が関係修復に協力するよう努めない場合

姑からのいじめが原因で夫婦仲も険悪となって離婚を決意した場合,夫婦間の協議によって離婚が合意に至らず,調停でも決着がつかなかったときには,裁判で離婚を求めることになります。裁判で離婚するには,法定離婚事由が必要になります。

法定離婚事由についてはこちらのページで解説しておりますが、

法定離婚事由は,基本的には夫婦である2人の関係性から判断されるものであるため,夫婦以外の第三者である姑と不仲であることそれ自体が法定離婚事由に当てはまるとは考えにくいでしょう。

 

もっとも,夫婦は相互に愛情を持って接し,妻が姑との間で困難な立場に置かれているときには,夫は間に入って関係修復に協力し,円満な夫婦関係を取り戻すよう努力するなど,婚姻関係を維持するための誠意を示すべき立場にあります。

そうであるにもかかわらず,夫が,姑の嫁いじめに起因する不仲を取り持つよう努めず,夫が姑と嫁の不仲を見て見ぬふりをするなどして不誠実な態度を取り続けている場合には,夫に婚姻関係を維持する意思がないと認められることから,婚姻関係の破綻が認められる場合があります

その結果,夫婦間での信頼関係が失われて夫婦関係が冷え切り,離婚に至ったというような場合には,「婚姻を継続しがたい重大な事由がある」(民法770条1項5号)として,法定離婚事由に該当する可能性があります。

 

姑のいじめで夫婦関係が破綻した場合,慰謝料請求できるか

姑に対する慰謝料請求

慰謝料は,相手方の不法行為により精神的損害を被った場合に認められます。婚姻関係破綻の際の慰謝料請求は,元配偶者に対して認められることが一般的ですが,姑の「いじめ」が不法行為に該当すると認められれば,慰謝料請求することができます。

ただし,一般的ないざこざ程度では認められることは少なく,

・夫婦の収入を義実家が握り,経済的自由を奪われていた

・姑から無理やり離婚するように仕向けられた

・誰の目からみて問題と常軌を逸しているといえる程度の侮辱的言動があった

 

など,「客観的に違法ないじめ」といえる行為があることが必要になります。

また,訴訟で慰謝料請求を行う場合には,当然,上記のような不法行為があったことを立証するための証拠が必要となります。姑の嫁いじめは家庭内で行われることが多いため,身内以外の第三者が証言することは期待し難く,主として当事者及び関係者の証言が証拠となるでしょう。

もっとも,裁判官は,身内だけの証言では不法行為があったことの認定に慎重になる傾向にあるため,慰謝料請求を行いたい場合には,日ごろから録音や撮影,日記への記録等,客観的な証拠を集めておくことが非常に重要です。

 

(元)夫に対する慰謝料請求

裁判例の中には,嫁を罵るなどして侮辱的言動を繰り返していた姑に夫も同調し,姑と一緒になって妻を非難するような言動を行っていた夫に対し,姑だけでなく,夫にも慰謝料を支払うよう命じたものがあります。

姑による嫁いじめの場合には,夫が関係修復に協力し円満な夫婦関係を取り戻すよう努力するなど,婚姻関係を維持するための誠意ある行動を果たしているかどうかが,夫に対する慰謝料請求が認められるかどうかの分岐点になるといえるでしょう。

また、上記のようなケースはモラハラに該当する可能性があるため、弊所作成の”モラハラ被害のチェックリスト”も併せてご一読ください。

 

まとめ

姑からのいじめ・いびりは陰湿な場合が多く,実際には,十分な証拠を集められないケースがほとんどです。

どうしても慰謝料請求をしたり、離婚を成立させたい場合には,より具体的な事情を聴取し,証拠価値を踏まえたうえで慎重に方針を立てる必要があります。西村綜合法律事務所では離婚・男女問題の解決実績が豊富にございますので、ご相談者様の状況に合わせて最適なアクションや証拠集めのプランをご提案いたします

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    監修者:
    弁護士法人西村綜合法律事務所 代表弁護士 西村啓聡

    [経歴]
    東京大学卒業
    第2東京弁護士会登録、岡山弁護士会登録

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