配偶者が離婚に応じない!離婚してくれない相手への対処法4選

「離婚を切り出したものの,相手が応じてくれない…」

「相手に離婚を拒否され,話し合いが進められない…」

このような悩みを抱えていらっしゃいませんか?

協議離婚するには,夫婦双方の合意が必要ですから,相手の同意のないまま勝手に離婚届を提出するわけにはいきません(相手に離婚の意思がないのに離婚届が勝手に提出された場合,たとえそれが受理されたとしても,その離婚は法律上無効になります)。

このような場合,相手がどういう理由で離婚に応じないのかによって,適切な対処の仕方が異なります。
今回は,「配偶者が離婚に応じない」「離婚届を書いてくれない」等、離婚を拒否されるケースへの対処法やその際のポイントについて,弁護士が解説いたします

 

相手が離婚したくない理由は?

相手が離婚したくないと思う理由は様々です。離婚に応じない配偶者と離婚するためには,相手が離婚したくないと考えている理由をしっかりと特定した上で,離婚の障害となっている理由を取り除く方法を探すことが大切です。

配偶者が離婚を拒む理由としてよく挙げられるのは,次のようなものです。

⑴ 子どものため
⑵ 経済的な心配(お金の問題)
⑶ あなたに対する愛情がまだあり,やり直せると思っている
⑷ 世間体を気にしている
⑸ あなたが有責配偶者(不倫をしたなど,離婚や夫婦関係の破綻の原因を作った側の配偶者のこと)であるにもかかわらず,離婚を求めるのは都合が良すぎると思っている

配偶者が離婚に応じられないと考える理由は,必ずしも1つとは限りません。

相手が離婚に応じない場合の対処方法4選

離婚を拒む本当の理由を特定し、協議離婚に持ち込む

話し合いで離婚することの合意が得られれば,協議離婚することができます。費用の面でも,また時間や精神的負担の面からも,夫婦間の話し合いで離婚の協議がまとまるならばそれに越したことはありません。
まずは,相手と話し合いをすることのできる状況にあるならば,相手に納得してもらえるように丁寧な説得を試みましょう。

以下では,相手が離婚を拒む代表的な理由ごとに,具体的にどのような点に気を付けて相手を説得するかについての一例を挙げさせていただきます。

また、こちらの記事では協議離婚のメリットやポイントを弁護士が解説しています。

⑴ 子どものため

妻が離婚に応じない場合では,子どもの生活が変化することを懸念したり,夫婦仲が悪かったとしても子どもにとっては両親が揃っていたほうが良いと考えて離婚することを躊躇することが多いです。
このような場合には,例えば自分が今住んでいる家を出て行って子どもが転校しなくてよいようにするなど,子どもに与える影響を小さくする方策を考え,相手の不安を軽くしてあげるようにしましょう。

また,形だけの夫婦は虚しく,温かみのない夫婦関係が必ずしも子どもの幸せにとってプラスとはならないことを伝えましょう。そして,離婚をして子どもを引き取らない場合でも,養育費はきちんと支払い続けること,面会交流を通じて子どもとコミュニケーションを取り続ける意思があることを伝えましょう。
もっとも,子どもや妻が離婚後会うことを希望していない場合もありますから,ケースに応じて対処することが必要です。

一般的には,養育費や公的支援を受けられることを説明し,離婚しても子どもに不自由な生活を送らせないで済むと安心させてあげると,相手が離婚に応じてくれる可能性がぐんと上がります。
もっとも,適正な養育費の額は,事案によって異なりますので,弁護士にご相談下さい。

 

⑵ 経済的な心配(お金の問題)

これまで専業主婦,パートタイム程度の仕事をしていた方や,離婚後働きながら子育てをすることになる女性の場合には,離婚後の生活を心配して,離婚を躊躇することが多いです。
この場合には,財産分与,慰謝料や養育費を意思があること,そして離婚後も暮らしていくことができることを説明して,妻の将来的なお金の不安を解消することが重要です。

適正な額の財産分与・慰謝料や年金分割についてお悩みの方は,一度弁護士にご相談することをお奨めします。

別居・離婚後に受けられる金銭的サポートについては下記の記事をご覧ください。

 

⑶ あなたに対する愛情がまだあり,やり直せると思っている

離婚に応じない配偶者の中には,「相手は一時的に別れたいと言っているだけで,本気ではないだろう」,「しばらく時間を置けば,また気が変わるだろう」と楽観的に考えている人もいます。

そのような場合,相手に気持ちが戻る可能性はゼロであること,夫婦関係を修復することが不可能であることを,具体的に(いつからそのような気持ちになったのか,またそれは何故か)説明し,お互いの幸せのためにも別れたほうがよいと理解してもらうことが大切です。

それでも相手が納得しなければ,別居することも検討しましょう。

 

⑷ 世間体を気にしている

相手に対する愛情がなくなっている場合でも,離婚したことを会社や子どもの学校関係者に知られたくないという場合や,実家や親戚の目を気にして離婚を拒否する場合があります。

形だけの夫婦関係を続けることが無意味であり,お互いの幸せのためにもならないと十分に説明したにもかかわらず,相手が世間の目が気になるといった理由で頑なに離婚に応じない場合には,これ以上当事者だけで話し合いをしても平行線となる可能性が高いです。

このような場合には,弁護士に依頼するか,離婚調停の申立てを行い,第三者に離婚の話し合いに入ってもらうことをお奨めします。

 

⑸ 有責配偶者(不倫をしたなど,離婚や夫婦関係の破綻の原因を作った側の配偶者)であるあなたから離婚を求めるのは都合が良すぎる,と思っている

不貞・不倫をした配偶者が離婚後再婚することが許せないとか,離婚の原因を作ったのに離婚したいというのは虫が良すぎると考えて,離婚に応じないケースもあります。
このような場合には,相手がそもそも話し合いにすら応じてくれない場合もありますから,弁護士などの第三者に間に入ってもらうほうが良いでしょう。

なお,あなたが不倫・不貞をした有責配偶者である場合,協議離婚や調停離婚も成立せず裁判離婚まで進むことになると,裁判では不利な立場に置かれ,離婚判決が認められにくくなることは知っておきましょう。「有責配偶者からの離婚請求」はなかなか認められないという最高裁の判例上のルールがあるからです。
離婚の交渉において不利な立場にあることは間違いありませんから,離婚したいのであれば,まずは弁護士に相談されることをお奨めします。

有責配偶者からの離婚請求におけるポイントや親権についてはこちらの記事も併せてご覧ください。

別居し、離婚が認められる可能性を高める

別居をすることで相手に自分の離婚意思が強いことをアピールすることができますし,相手も一度距離を置かれることで冷静になり,話し合いに応じてくる可能性があります。

また,別居して離婚するまでは,収入の多い配偶者は他方の配偶者に対して生活費(婚姻費用)を支払うことを求めることができます多くの場合は,主たる生計者である夫に対し,妻が婚姻費用の分担を請求することになります。

この場合,妻が離婚したい側で別居すると,夫は毎月の生活費を別居する妻に対して渡さなければいけないことになります。このようなケースでは,言い方は悪いですが,一緒に生活しない妻にいつまでも毎月の生活費を渡すことは無駄だと考えるようになり,次第に夫も離婚に応じるようになることも少なくありません。

さらに,別居をすることで,裁判離婚まで進んだ場合に離婚が認められる可能性を高くすることができます。
相手が不貞・不倫やDV(身体的暴力),モラハラ(精神的虐待・暴力)をしていたとか,生活費を入れないといった明らかな離婚原因がない場合には,裁判所は,夫婦間に「婚姻を継続し難い事由」が認められる場合に限り,離婚判決を出すことになります。そして裁判官は,夫婦関係が破綻しているといえる場合に「婚姻を継続し難い事由」があると判断しますが,別居の有無や別居期間が,夫婦関係の破綻の認定にあたり重要な判断要素となります。
そのため,別居することは離婚を実現するための第一歩といえます

ただし,あなたが有責配偶者の場合には,別居に慎重になるべきです。この場合に別居をしてもそれだけで離婚が認められることにはなりませんし,むしろ違法な別居として慰謝料の増額事由となるなど,さらに不利な立場に置かれることになります。

 

離婚調停の申立てをする

夫婦間の話し合いで離婚の合意に達しない場合には,離婚調停を活用することを検討しましょう。

離婚調停とは,家庭裁判所で調停員を介して夫婦間の離婚問題について協議し,離婚するかどうかや,離婚条件について話し合う手続きを言います。

裁判所という公の場で,間に第三者が入って話し合いを行うことになりますから,相手も話し合いに応じる可能性が高まりますし,話し合いを進めるにつれて気持ちが変化し,離婚に応じることがあります。

ただ,調停員はどちらの肩を持つこともしませんが,必ずしも法律の専門家ではなく,結局は交渉力の強いほうの主張が通ってしまうことが多いことは否定できません

調停員に自分の希望と主張を説得的に伝えることに不安がある方は,弁護士に依頼して交渉力や法律の専門知識を補うのも一つの方法です。

こちらの記事では、調停離婚を有利に進めるポイントを弁護士が解説しています。

離婚問題に強い弁護士に相談する

相手が離婚に応じてくれない場合,これからどのようにして離婚に向けて動けば良いのかを一人で考えることはなかなか難しいですし,大変な労力になるでしょう。また,当事者だけで離婚の協議をする場合,交渉のやり方次第では相手がさらに態度を硬化させ,離婚をさらに強く拒否してしまうおそれもあります。

弁護士に依頼することで,自分には確固たる離婚意思があるのだということを相手に対して印象付けることができますし,実際,第三者が入ることで相手との離婚交渉が進展することも少なくありません。
加えて,弁護士に依頼すれば,離婚の話し合いを直接相手とするストレスもなくなります。

相手に働きかけても埒が明かない場合には,弁護士に相談することを検討されてみてはいかがでしょうか。

訴訟で離婚できるケースを紹介

上で挙げたような方法を試みても,相手が離婚に合意せず,協議離婚や調停離婚をすることが出来なかった場合には,最終手段として離婚訴訟を提起することになります。

もっとも,裁判離婚が認められるためには,相手が離婚に合意していることは必要ありませんが,法定離婚事由(法律で定められた離婚の理由)がなければなりません。

法定離婚事由は,

①不貞
②悪意の遺棄
③3年以上の生死不明
④強度の精神病に罹り回復の見込みがない
⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由の5つです。

訴訟では,夫婦関係が破綻していることを証拠によって証明する必要があります。その作成には専門的判断が不可欠ですから,裁判離婚の場合では,通常,弁護士が付くことになります。
上記の法定離婚事由に該当することを立証することが難しい場合であっても,裁判を進めるうちに相手が離婚に応じるようになり,和解が成立して離婚できる場合もあります。

また,上で説明した有責配偶者からの離婚請求についても,立場的に不利であることは間違いありませんが,「有責配偶者からの離婚請求である」ということだけで離婚が認められないわけではありません。自分に離婚の原因があるから離婚はできないとあきらめる前に,一度弁護士にご相談されることをお奨めします。

裁判離婚の流れや所用期間については以下の記事で詳しく解説しておりますのでご覧ください。

戦略的に離婚を進めるなら西村綜合法律事務所へ

相手が離婚したくない場合に離婚することは簡単ではありません。
上で説明させていただいた対処法についても,採るべき最善のものは時と場合によって異なります。相手の出方によって方針を変える必要もありますし,離婚調停や離婚訴訟を見越して戦略を立てる必要があります。

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初回相談は無料とさせていただいておりますので、岡山県にお住まいの方に限らず、お悩みの方はぜひ無料相談をご利用ください。

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    監修者:弁護士法人西村綜合法律事務所 代表弁護士 西村啓聡
    [経歴]
    東京大学卒業
    第2東京弁護士会登録、岡山弁護士会登録

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