請求された不倫・不貞慰謝料が払えない時は?相場・減額・示談を弁護士が徹底解説
不倫や不貞行為によるあまりに高額な慰謝料請求に直面したとき、どう対処すれば良いのか、迷う方も多いと思われます。
結論から申し上げると、相場から大きく離れた請求に応じる必要性はありません。不倫・不貞慰謝料の相場はパターンごとにある程度決まっているので、そこに合わせて減額交渉を進めていく形になります。
今回は、不倫・不貞慰謝料の相場や、減額のポイントについてご説明いたします。
目次
不倫・不貞慰謝料請求をされた時の確認事項
不倫・不貞慰謝料の請求はある日突然やってきます。焦って迂闊な対応をしてしまい後々不利になることを避けるため、まずは落ち着いて状況を確認することから始めましょう。
不倫が事実かどうか
不倫・不貞行為が事実であるかどうかは、慰謝料請求の有効性に大きく影響します。
不倫・不貞行為が実際に行われていたという明確な証拠がある場合、慰謝料請求は正当性を持ちます。しかし、誤解や誤った情報に基づく請求であれば、その主張を退けることが可能です。
実際に肉体関係を持ってしまったかどうかが金額を大きく左右します。キスやハグだけであれば、慰謝料はそこまで大きな金額になることはないでしょう。
相手が既婚者であることを知らなかった
もし不倫相手が既婚者であることを知らなかった場合、それは慰謝料請求の減額交渉を進める上で有利に働きます。
しかし、ただ単に知らなかったというだけではなく、”相手が既婚者であることを知らなかったこと”について過失が無いと証明できなければなりません。
相手が故意に隠していたり、指輪をつけていないなど、既婚者であると認識できない状況であったことを主張する必要があります。
相手側の婚姻関係が破綻していた
もし不倫相手の婚姻関係が既に破綻していた場合、慰謝料を減額する余地があります。
時効が成立しているかどうか
不倫による慰謝料請求権には時効があります。
不倫行為を知った日から3年間、または不倫行為が終了してから20年が経過すると、慰謝料を請求する権利が失われます。また、不貞慰謝料請求権においては、このどちらか短い方の時効完成によって権利が消滅します。
したがって、時効が成立している場合、慰謝料の請求を拒否することが可能です。
不倫・不貞慰謝料の相場って?
一般的には10万円〜300万円程度とされています
不倫・不貞慰謝料の相場は、一般的には10万円から300万円程度とされていますが、ケースによって大きく異なります。
肉体関係(不貞行為)がないケース
肉体関係がない場合の不倫・不貞慰謝料の相場は、0円から50万円程度です。
心の浮気や密接な関係があったとしても、肉体関係に至らない場合、慰謝料の請求が認められる可能性は低いです。ただし、相手方の精神的苦痛や名誉の毀損が認められる場合、慰謝料が発生することがあります。
肉体関係(不貞行為)があったが、別居・離婚に至らなかったケース
肉体関係があるが別居や離婚に至らなかった場合、一般的な相場は30万円から100万円程度です。
このケースでは、不貞行為の事実があったものの、夫婦関係が継続しているため、慰謝料の額は比較的低めに設定される傾向があります。
肉体関係(不貞行為)があり、別居に至ったケース
不貞行為が原因で別居に至った場合、慰謝料の相場は50万円から200万円程度です。
別居に至った事実がある場合、不貞行為による精神的苦痛や夫婦関係の破綻が重視されるため、慰謝料額が増加します。
肉体関係(不貞行為)があり、離婚に至ったケース
不貞行為が直接の原因で離婚に至った場合、慰謝料の相場は150万円から300万円程度となります。
このケースでは、不貞行為によって夫婦関係が完全に破綻し、家族生活が崩壊したため、慰謝料額は最も高く設定される傾向にあります。例えば、長期間の不倫関係が発覚し、それが直接的な離婚原因となった場合、慰謝料は上限近くに設定されることが一般的です。
不倫・不貞慰謝料が高額になるパターン
不倫がきっかけで相手方が別居・離婚してしまった
不倫関係が原因で相手方の夫婦生活が崩壊し、最終的に別居や離婚に至った場合、慰謝料の額は著しく高くなる傾向があります。
これは、不倫による影響が単なる精神的苦痛を超え、家庭生活の根本的な破綻に直結したと見なされるためです。
不倫が発覚したタイミングの夫婦仲が円満だった
不倫が発覚した時点で夫婦関係が良好であった場合、不倫による精神的ダメージがより大きいと見なされ、慰謝料の額が増加します。
不倫を主導した側だった
不倫関係において積極的な役割を担った側は、慰謝料請求においてより厳しい評価を受ける傾向にあります。
特に、相手方を誘惑し、不倫関係に引き込んだとみなされる場合、慰謝料額は一層高くなります。たとえば、職場の上司が部下を誘い不倫関係を持った場合、その上司は高額な慰謝料を支払う可能性があるでしょう。
不倫していた期間が長かった
不倫関係が長期にわたる場合、その期間が長ければ長いほど、慰謝料の額は増加します。
長期間にわたる不倫は、相手方の夫婦関係に対する影響が深刻で持続的であると見なされるためです。例えば、数年間にわたり続いた不倫関係は、一時的なものに比べて高額の慰謝料が認められやすくなります。
相手夫婦に子供がいた
不倫関係が子供の存在する家庭に及ぼした影響は特に重く見られます。
子供がいる場合、不倫の影響は夫婦だけでなく、子供の精神的安定や生活環境にも及ぶため、慰謝料の額は高く設定されることが一般的です。例えば、不倫が原因で子供が親と離ればなれになったケースでは、慰謝料の額が数百万円に達することも考えられます
当事者(ご自身)が反省・謝罪しない
不倫行為を行った本人が反省の姿勢を示さず、謝罪を拒否する場合、裁判において不利な評価を受ける可能性が高くなります。
反省の態度や謝罪がない場合、慰謝料の額は増加し、相手方に与えた精神的苦痛を重く見る傾向があります。たとえば、不倫が発覚した後も続けていたり、反省の態度が見られない場合、裁判所は厳しい判断をしやすくなってしまいます。
不倫・不貞慰謝料が高すぎる場合の対処方法
法外な慰謝料である場合、支払い義務はありません
法外な金額の慰謝料請求が行われた場合、法的根拠に基づいて減額できる可能性が高いです。
例えば、相手方が数百万円の慰謝料を要求しているとしても、不倫の事実が軽微である場合や、不倫が家庭環境に与えた影響が小さい場合などは、減額交渉が成功しやすいと言えます。
不倫・不貞慰謝料に強い弁護士に相談する
慰謝料の請求が適切かどうかの判断や、適切な対処法を検討するためには、不倫・不貞慰謝料に精通した弁護士への相談が効果的です。
弁護士は、請求されている慰謝料の金額が相場と比較して妥当かどうかを評価し、必要に応じて交渉や法的手続きを行います。加えて、示談交渉を一任できたり、訴訟トラブルを予防できる可能性を高めるなど様々なメリットがあります。
慰謝料請求トラブルを円滑に解決するには弁護士へのご相談が近道と言えるでしょう。
減額交渉を行う
前述の通り、慰謝料の額が不当に高いと判断された場合は、減額交渉を行うことが可能です。
弁護士は、事実関係や相場を踏まえた上で、相手方との交渉を進め、より適切な金額での解決を目指します。
分割払いができないか交渉する
一括での慰謝料支払いが困難な場合、分割払いの可能性について交渉することも一つの解決策です。
弁護士は、ご自身の経済状況を考慮した上で、分割払いの提案を相手方に行い、実現可能な支払い計画を策定します。
不倫・不貞慰謝料の減額交渉・示談交渉は弁護士にご相談ください
不倫・不貞行為による慰謝料請求トラブルは様々な感情・人間関係が入り乱れた複雑な問題です。
当事務所は地元岡山に密着し多数の離婚・男女問題を解決して参りました。経験豊富な弁護士が一人ひとりに合った最善の解決策をご提案するとともに、示談交渉に尽力いたします。
慰謝料請求トラブルにお困りの方は初回相談無料の当事務所にご相談ください。オンライン面談も可能ですので、遠方にお住まいの方や多忙な方でも安心してご相談いただけます。
監修者: 弁護士法人西村綜合法律事務所 代表弁護士 西村啓聡 [経歴] 東京大学卒業 第2東京弁護士会登録、岡山弁護士会登録 [ご相談者の皆様へ] 離婚のご相談は,皆様にとって人生の岐路となる重大な問題です。数多くの離婚問題を解決してきた経験をもとに,皆さまにとって最善の方法を提案させていただきます。 |
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