夫が、養育費や財産分与の支払いに加え、別居期間中の未払い婚姻費用を支払うことを認め、調停離婚が成立した例
依頼者:妻
相手方:夫
受任から解決までの期間:約11か月
事案と結果
離婚に際し、夫が養育費や財産分与等に応じず、協議は不成立となり、離婚調停に移行したものの、最終的には夫が養育費等の支払いに応じることを認め、離婚が成立した事案です。
事案の詳細
この事案では、もともと、夫は妻との離婚に合意はしており、親権を妻が取得することには争いはありませんでした。しかし夫は、養育費や財産分与、別居期間中の婚姻費用の支払いに応じず、当事者のみによる離婚協議は難しい状況でした。
当所弁護士は、当初、夫との交渉を試みましたが、夫の主張が二転三転し、協議がまとまる見込みが低いことが予想されました。そこで、可能な限り早期の離婚成立を望む妻(依頼者)の意向にも配慮し、調停に移行することとしました。
調停に移行したのち、当所弁護士は調停委員に依頼者の主張を正しく理解してもらえるよう、調停委員を熱心に説得しました。結果として、調停委員による夫側の説得を得ることができ、現行の算定表通りの養育費の支払いや、財産目録通りの分与、約1年に及ぶ別居期間中の未払い婚姻費用の支払いを夫が認め、調停離婚が成立することとなりました。
また、本件では、最初に依頼者よりご相談を受けた際、当所弁護士は、財産分与が問題となった時に備えて、財産調査に早めに着手するようアドバイスをしました。それにより、網羅的な財産目録を作成していたため、夫側による財産隠し等で依頼者が不利になることを回避し、多額の財産分与を受けることができました。
弁護士からのアドバイス
通常、離婚においては、協議離婚(話し合い)で双方の折り合いがつかなかった場合に、調停に移行し、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることになります。
一般的に、協議離婚から調停離婚に移行した場合、①毎月の平日に時間を作り調停に出席しなければならない②長期間になれば裁判所への交通費がかさむ③長期間になれば精神的ストレスも増す、といったデメリットも発生するため、できる限り調停ではなく協議による解決を望まれる方も多いでしょう。
しかし、離婚協議においては、本件のように相手の回答が二転三転したり、相手が感情的になる等、スムーズに交渉が進まない場合が多いのも事実です。この点、調停に移行することで、調停委員等の第三者の客観的な助言や説得を得ることができ、膠着状態であった交渉がスピーディに進むこともよくあります。
ただし本来、調停委員は中立的な立場のため、どちらかに肩入れすることはありません。そのため、調停においては、いかに調停委員に依頼者の主張を正しく理解・共感してもらうか、ということが非常に重要となります。そこで、調停において、依頼者と相手方の間に弁護士が介入すると、依頼者にとって有利な条件で相手を説得することはもちろん、高い交渉力で調停委員を説得することも可能となります。それにより、よりスピーディに、依頼者の希望通りの結果を得られる可能性が高まるでしょう。また、自力での交渉による精神的負荷から解放されることも、大きなメリットとなるでしょう。
「相手が離婚になかなか応じてくれない」、「養育費や財産分与をいくら請求できるのか分からない」等、お困りの際には、当所弁護士が親身に対応させていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
調停離婚の最新記事
- 調停で離婚が成立し、スピーディーに解決した事例
- 調停による相手方請求の減額
- 夫が、妻に離婚を求めた事例
- 2年以上離婚協議が進展しなかったが、離婚調停において妻が離婚に応じ、離婚が成立した事例
- 妻から離婚調停及び婚姻費用分担調停を申立てられた事例
- 夫が、妻に解決金100万円および、子らの養育費を毎月支払うこと、夫名義の自宅を明渡すことを約束し、妻が離婚後の夫と子らの面会交流を認めた上で、調停離婚が成立した事例
- 元妻が、依頼者である元夫が子らと月に1回程度面会することを認め、調停が成立した事例
- 夫が、妻に解決金300万円および、子供の生活費や別居期間中の婚姻費用等を一括で支払うとともに、夫が一定期間、妻に自宅を無償で貸与することに同意した上で、離婚が成立した事例
- 離婚に応じない夫との離婚が成立した事例
- 長年DVの被害にあっていた妻から夫に対して離婚調停を申し立てた事例
- 財産分与にて退職金を考慮したうえで調停離婚を成立させた事例
- 妻が夫に対して,企業年金の分割を求めた事例