相手が弁護士を立てたらどうすべき?離婚を有利に進めるポイントを弁護士が解説 | 離婚に強い岡山の弁護士なら西村綜合法律事務所

相手が弁護士を立てたらどうすべき?離婚を有利に進めるポイントを弁護士が解説

「配偶者と離婚について話し合っていると突然弁護士から連絡が…」
「相手がいきなり家を出ていったと思ったら法律事務所から書類が届いた」
「数年前から別居していたが、離婚調停を突然起こされてしまった」

こういったケースでは、あまりの出来事に驚いてしまい、どのように対応していいかわからなくなってしまいます。離婚問題に弁護士がついたということは、配偶者は少しでも自身が有利になるよう話し合いを進めたいと考えている可能性が強いです。

このまま離婚問題を弁護士相手に進めていては、不利な条件で離婚をすることになりかねません。そんな事態に陥らないためには、正しい知識を持って話し合いに臨む必要があります。そこで今回は、離婚問題の最中、配偶者に弁護士がついた方へ向けた対処法等について解説していきます。

相手が弁護士を立ててきたらどうなる?最初に知っておくべきこと

言われるがままに対応する必要は一切ありません

離婚事案でいきなり弁護士から書面が届いた場合、つい気持ちが急かされてしまいますが、相手からの要望に即座に応じる必要は一切ありません。

弁護士から受任に関する書面が届く場合、ほとんどのケースで内容証明郵便が使われます。

内容証明郵便とは、送付された書面の内容や日時等について郵便局が証明してくれるサービスです。普段見慣れない郵便ではありますが、決して焦る必要はないと覚えておいてください。

内容証明郵便が届いた段階で、何かしらの法的効力が生じることはありません。また、相手に弁護士がついたというだけで、相手が有利になるわけでもありません。

今後の対応次第で、どうにでもなる段階なので慌てず慎重に行動するよう心がけましょう。

相手が弁護士を立てる理由について

そもそも、なぜ相手は弁護士を立ててきたのでしょうか?

その理由としては、以下の2つが理由になっているケースがほとんどです。

・有利に解決したいと考えている
・配偶者と直接話がしたくない

有利に解決したいと考えている

離婚問題を少しでも有利に解決したいと考えている場合、弁護士へ依頼する方が多くなっています。

たとえば、親権争いに勝ちたい、財産分与を多く取りたいなどが主な理由として挙げられます。弁護士は豊富な専門知識だけでなく、職業柄、交渉力も持ち合わせているため、話し合いが相手ペースになってしまうと不利な条件で離婚させられる危険があります。無知ゆえ、不利な条件で離婚させられたといったケースは決してめずらしくありません。

配偶者と直接話がしたくない

離婚の話し合いというのは、非常にストレスが溜まるものです。しかし、弁護士が介入することで、すべての窓口が弁護士になるため、配偶者と直接話をする必要がなくなります。

相手は、あなたと直接話し合いがしたくないため、もしくは、このままだと話し合いが進まないと考えているため弁護士に依頼した可能性があります。

相手の弁護士は「中立」ではなく、相手の利益を守る存在

離婚協議や慰謝料請求の場面で相手が弁護士を立てた場合、その弁護士は「中立な第三者」ではありません。

弁護士は依頼者である相手の利益を最大化するために活動する立場です。

したがって、交渉や書面で提示される条件は、表面上は合理的に見えても、実際には相手に有利になるように構成されているケースが多いといえます。

ご相談者様が「弁護士だから正しいだろう」と受け入れてしまうと、知らないうちに不利な条件で合意してしまう危険があります。そのため、相手弁護士の提示内容は冷静に検討し、鵜呑みにすべきではありません。

直接連絡ができなくなることの意味

相手に弁護士がつくと、原則として相手本人と直接連絡を取ることができなくなります。

連絡を試みても「弁護士を通してください」と返答されるのが通常であり、これに従わなければ無用なトラブルや不利な証拠化を招きかねません。夫婦間の生活の延長で気軽に話し合える状況はなくなり、交渉は専門的な手続きに移行していきます。

これにより、親権や財産分与、慰謝料といった重要な条件が一方的に進められる可能性があるため、こちらも適切な準備と対応が求められます。

言動がすべて証拠化されるリスク

相手に弁護士がついた時点で、電話・メール・LINEなどを含む全ての発言ややり取りが証拠として扱われる可能性が高まります。

例えば不用意に不貞や暴力を認める発言をすれば、その記録は裁判所でも不利に利用されます。ご相談者様にとって軽い一言であっても、法的には重大な意味を持ち得ます。

相手方弁護士はこの点を熟知しているため、不利な言質を引き出そうとするケースも見られます。発言や行動は慎重に行い、できれば弁護士を通じて対応することが安全です。

まずは弁護士に無料相談を!

相手が弁護士を立てている場合、まずはご自身も弁護士への相談を検討しましょう。

弁護士に無料相談するだけでも、相手弁護士から届いた書面を確認してもらえますし、今後どうすべきかの指針をアドバイスしてもらえる等のメリットがあります。

相手が弁護士を立てたからといって、こちらも必ず弁護士を立てなければならないわけではありません。まずは、弁護士による無料法律相談を利用するのが良いでしょう。

その前に、相手弁護士から届いた書面に返答するのは早計です。相手弁護士から何かアクションがあれば「自身も弁護士への依頼を検討している」とだけ伝えましょう。

法律相談のご予約

法律相談は「お電話」または「お問い合わせフォーム(メール)」のどちらからでもお申込みいただけます。ご状況に応じて電話相談も実施中ですので、お急ぎの方や文章でのやりとりがご不安な方もお気軽にご連絡ください。

こんなこと聞いていいのかな?くらいの気軽さで
法律相談というと堅苦しく感じるかもしれませんが、当事務所では初回のご相談からできるだけ丁寧に、わかりやすくご案内することを心がけています。「弁護士に相談するべきことかどうか分からない…」といった段階でも問題ありません。どんなご相談でもまずはお話をお聞かせください。

これって弁護士に相談すべき?ケース別の判断基準とメリット・デメリット

離婚問題を弁護士に相談すべきタイミングについて

前述の通り、相手が弁護士を立ててきた場合、「自分も弁護士をつけるべきなのか、それとも様子を見るべきか」と迷う方は少なくありません。

しかし、離婚問題の進行は一度つまずくと巻き返しが難しく、判断を誤ることで金銭面でも精神面でも大きな不利益を被ることがあります。

ここでは、実際に「弁護士に頼るべき典型的な場面」を具体的にご紹介します。

相手に子どもを連れ去られた場合

離婚の話し合いが始まると、突然相手が子どもを連れて実家に戻ったり、面会交流の名目で預けた子を返してくれなくなるケースがあります。

こうした「子の連れ去り」は、時間が経つほど相手の生活に子どもが慣れてしまい、裁判所も「今の環境を変えない方が子にとって安定的」と判断してしまう傾向があります。監護権や親権を確保するには、速やかに「監護者指定」「子の引渡し」の手続きを申し立てる必要がありますが、一般の方が自力で進めるのは困難です。

弁護士に相談することで、必要な書面の作成や証拠整理を迅速に行い、手遅れになる前に対応できます。

暴力・脅迫など身の危険がある場合

配偶者からの暴力や脅迫行為がある場合、離婚協議を直接進めることは非常に危険です。

例えば、口論のたびに殴られる、無理やり同居を続けさせられる、別居した後も「居場所を突き止める」と脅されるといった状況は珍しくありません。こうした場合には「保護命令」を申し立てたり、住所を秘匿したまま裁判所に手続きを進める必要があります。

弁護士が代理人となれば、相手と直接会うことなくやり取りを進められるため、ご相談者様の安全が確保されやすくなります。また、裁判所との連携も弁護士が調整してくれるため、精神的な負担を大幅に減らすことができます。

感情対立が激しく冷静に話し合えない場合

離婚協議の場では「不倫した/していない」「子育てをしていなかった/支えてきた」など、感情的な対立が先鋭化しやすいものです。

話し合いのつもりが、毎回口論や罵倒に発展してしまい、肝心の条件面が全く進まないというケースも多く見られます。こうした状況が続くと、協議が長引き、その間も生活費や子育ての問題が解決しないまま時間だけが過ぎていきます。

弁護士が入れば、交渉の場を冷静なやり取りに切り替えることができます。相手方の感情的な主張にも法的な基準で反論し、必要以上に譲歩しない姿勢を貫けるため、ご相談者様にとって有利な条件で合意できる可能性が高まります。

財産分与や不動産の扱いで対立している場合

預金や株式などの分与は比較的シンプルですが、マイホームやローンが絡むと一気に複雑化します。

「家を売却して清算するのか」「どちらかが住み続ける場合、持分やローンをどう処理するのか」といった論点は、専門知識がないと見落としが生じやすい部分です。例えば、住宅ローンが残っている状態で相手が住み続ける場合、金融機関は名義変更を認めず、ご相談者様がローン返済義務を負い続けるリスクがあります。

これを防ぐには、銀行との調整や財産分与の具体的スキームを組み立てる必要があり、弁護士の関与が欠かせません。

相手が不合理な主張や引き延ばしをしてくる場合

離婚に消極的な相手は、意図的に協議を引き延ばすことがあります。

例えば「婚姻費用をもらい続けたいから離婚を決めない」「親権の実績を積むために長引かせる」といった動機です。あるいは、不貞の慰謝料を不当に高額に請求してきたり、財産分与で存在しない債務を持ち出すこともあります。こうした不合理な主張に対し、感情的に反論しても解決は進みません。弁護士が介入すれば、調停や裁判を見据えた戦略を立て、必要に応じて「調停打ち切り→裁判移行」といった判断を迅速に行うことが可能です。

時間を無駄にせず、現実的な解決へと進めるためには、弁護士のサポートが有効です。

相手に弁護士を立てられた際に想定されるリスク

相手に有利な条件で協議が進められる可能性

相手弁護士は依頼者に有利な条件を提示してきます。

財産分与において評価基準を相手に有利に設定したり、慰謝料額を過大に主張してくることは珍しくありません。一見すると妥当な条件に見えても、長期的にみればご相談者様に不利な結果をもたらすことがあります。

こうしたリスクを回避するには、条件の妥当性を法的な基準に照らして判断する視点が欠かせません。

調停・裁判へ持ち込まれるリスク

協議がまとまらない場合、相手弁護士は調停や裁判への移行を視野に入れて行動します。

ご相談者様が交渉で不利な合意を避けている間に、調停や裁判が申し立てられることも少なくありません。こうなると、裁判所への出廷、書面作成、証拠提出といった負担が一気に増え、対応が後手に回るとますます不利になります。

手続きが相手のペースで進んでしまう

弁護士が主導する場合、手続きの進行スピードや交渉のタイミングは相手側に有利なペースで設定されやすくなります。

例えば、婚姻費用や養育費を支払う側である場合、調停や訴訟が長引くほど負担は増大します。逆に受け取る立場であっても、相手が引き延ばしを図れば支払いが遅れることになります。いずれにせよ、受け身のままでは損をする可能性が高いといえます。

精神的負担・準備負担が大きくなる

相手弁護士との交渉は、法的な知識や手続きへの理解が求められます。

慣れない当事者が一人で対応すると、精神的ストレスだけでなく、膨大な資料準備や書面作成の負担に苦しむことになります。特に複数の手続きが同時に進行する場合、どの対応を優先すべきかを見誤り、結果的に大きな不利益を被るリスクが高まります。

こちらも弁護士を立てるべき?5つのメリット

法律・判例の基準に沿った交渉ができる

離婚や慰謝料請求の条件は、裁判所の実務や判例の基準に沿って決定されるのが基本です。

相手弁護士が提示する条件の妥当性を判断し、必要に応じて反論するには専門知識が不可欠です。弁護士を代理人に立てれば、交渉を法的な土台に基づいて進めることができ、不当に不利な合意を避けられます。

不用意な発言のリスクを遮断できる

ご相談者様が直接やり取りを続けると、思わぬ発言が証拠として利用される危険があります。弁護士を通じた交渉に切り替えることで、不用意な発言を封じ、リスクを遮断することができます。

調停・裁判を見据えた戦略がとれる

調停や裁判に進展する可能性は高く、早い段階からその見据えた戦略を構築することが重要です。弁護士がついていれば、主張や証拠の整理を前提に交渉を進められ、後の手続きで有利に立ち回ることが可能です。

書面作成・証拠収集の負担を減らせる

調停や裁判では、書面や証拠が極めて重要な意味を持ちます。弁護士が代理人であれば、必要な主張書面の作成や証拠収集を主導してくれるため、ご相談者様の負担を大幅に軽減できます。

精神的なストレスを大幅に軽減できる

相手弁護士との直接のやりとりは大きな精神的負担となります。弁護士を代理人とすることで、その負担から解放され、冷静に解決へ向けて進めることができます。

配偶者に弁護士がついた方は弁護士にご相談ください

配偶者に弁護士がついたからといって、こちらも弁護士を立てなければならないわけではありません。また、協議離婚・離婚調停の段階であれば、弁護士の存在は必須とまでは言えません。しかし、相手の弁護士のペースに飲まれたくなかったり、知識量や経験の差に不安を感じたりするのであれば、こちらも弁護士への依頼を検討しましょう。

とはいえ、まずは相談からはじめるのが賢明です。もし、配偶者に弁護士がついて困っているという方は、ぜひ一度当事務所にご相談ください。今後の指針について離婚問題に経験豊富な弁護士が的確なアドバイスをさせていただきます。

 

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