説明が難しい離婚理由

説明が難しい離婚理由とは・・・

配偶者の父母と折り合いが悪い

配偶者の父母や親族との折り合いが悪く離婚したいと考える人も多いのではないでしょうか。もっとも、配偶者の父母や親族との折り合いの悪さを理由に離婚することは可能なのでしょうか。

民法は、法定離婚事由として以下、①~⑤を挙げています(民法770条1項)。

①配偶者に不貞行為があったこと

②配偶者から悪意で遺棄されたこと

③配偶者の生死が3年以上明らかでないこと

④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないこと

⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があること

この点、裁判例では、「夫婦の一方と、その他方の親達との不和が原因となって、その夫婦の婚姻が破綻に至ることは、人間生活の現実の事実問題であって、新民法の所論制度上の建前とは別個のことに属する」としており(東京高判昭和35・8・23東高民時報11巻8号227頁)、親族との不和そのものが「婚姻を継続し難い重大な事由」(上記法定離婚事由⑤)を構成するわけではないが、親族との不和を引き金に夫婦の関係が破綻することは実社会では少なからずあるものだということを述べています。

したがって、配偶者の父母と折り合いが悪く離婚を望む場合も、あくまでもそのことによって夫婦関係が破綻したということが必要となります。

そこで、弁護士に相談する場合には、配偶者の両親の問題行動だけでなく、これに関する配偶者自身の行動を伝えることを意識しましょう。具体的には、下記1~4などを説明することになります。

1.配偶者の父母の問題行動の具体的な状況

2.配偶者の父母に対して直接に意見するのが難しい理由

3.配偶者に対し問題点を指摘して対応を求めたこと(依頼内容も)

4.依頼に対して配偶者が何をし、何をしなかったか

なお、核家族化の進行に伴い、親族関係の不和によって婚姻関係が破綻にまで至ったとの認定はされにくい傾向にあり、今後もその傾向は進んでいくものと考えられます。

 

性的不調和

性的不調和は離婚原因トップ10にも入る離婚理由です(平成30年度司法統計 家事事件編)。

性的不調和のうち、性交渉拒否は離婚の原因となりうるのか、なりうるとしてどのような事実が認定される必要があるのでしょうか。

裁判例では、「婚姻が男女の精神的・肉体的結合であり、そこにおける性関係の重要性に鑑みれば、病気や老齢などの理由から性関係を重視しない当事者間の合意があるような特段の事情がない限り、婚姻後長年にわたり性交渉のないことは、原則として、婚姻を継続し難い重大な事由にあたるというべきである」と述べて性交渉拒否を離婚事由にあたるとしたものがあります(京都地判昭和62・5・12判時1259号92頁)

性の問題については極めて個別的でケースバイケースですから、単純に性交渉拒否の期間だけで離婚事由の有無を判断することはできませんが、婚姻期間のうち性交渉拒否の期間が占める割合が大きいほど離婚事由として認められやすい傾向にあります。

弁護士に相談する際には、配偶者から性交渉をいつ、どのように、何度拒まれたのか、求められなくなったのか、どのくらいの期間性交渉が無いのか、性交渉を回復するためになんらかの努力をしたのかなどの説明と、これによって受けた精神的なダメージの説明をしましょう。

 

配偶者の宗教活動

日本では、憲法上「信教の自由」が保障されており(憲法20条1項)、当該自由には宗教活動を行う自由も含まれるので、単に配偶者が宗教活動を行っているというだけでは離婚事由とはなりません

もっとも、配偶者が宗教活動に没頭するあまり家庭を省みなかったり、宗教活動に多額の資金を費やしたりする等、宗教活動が原因で夫婦関係が修復不可能な状態になっている場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由がある」として離婚が認められる可能性があります。

したがって、配偶者の宗教活動を理由に離婚を考えている場合、当該配偶者の宗教活動によって家庭にどのような影響が及んでいるかということを具体的に説明できるように準備しましょう。

 

 

 

 

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