男性のための離婚相談を弁護士が解説 | 離婚に強い岡山の弁護士なら西村綜合法律事務所

男性のための離婚相談を弁護士が解説

離婚については,女性側の視点に立って解説されているものが多く見られますが,男性側から離婚を求めることも当然にあり得ます。
そこで,今回は男性が離婚をするにあたり押さえておくべきポイントをご説明します。

男性の離婚相談で特にトラブルになるケースとは

離婚にあたっては,離婚の合意,親権,財産分与,面会交流,慰謝料などの問題が生じますが,以下では,男性の離婚相談でよく見られる問題についてご紹介いたします。

財産分与の問題(不動産や貯金等は絶対に半分にしなければいけない?等)

夫婦が婚姻期間中に形成した財産は原則として財産分与の対象となり,夫婦が2分の1ずつ取得することになります。

もっとも,必ずしも2分の1ずつ分けなければならないわけではなく,夫婦双方の合意により,2分の1ずつ以外の分与割合にしたり,どちらがどの財産を取得するか決めたりすることが出来ます。
また,財産形成にあたり夫婦の一方の能力が大いに寄与したという場合にも分与割合は2分の1から修正されることになります。

親権の問題(女性側に有利な親権を勝ち取れるのか?連れ去られてしまった場合の対処法等)

親権者を決めるにあたっては,お子さんの年齢や意向,これまでの監護状況,離婚後の監護体制や経済状況などを総合的に考慮して判断されることになります。

女性側が親権を取得することが多いのは,妻が子どもの世話をするという生活スタイルが多いためであり,夫も子の監護に積極的に関与してきたような場合には,夫にも親権取得の可能性はあります。したがって,男性であるというだけで親権取得を諦める必要はありません。

別居にあたり妻が子どもを連れて出てしまった場合,そのままにしてしまうと,妻側の監護実績が積み重なるとともに子どもの生活環境も定着するため,親権を取得することは困難になります。
そこで,夫としては,監護者指定と子の引渡しの審判を申立てるとともに審判前の保全処分を申立てることになります。

面会交流の問題(面会交流を拒否されることはあるか?面会交流が認められないケースとは?)

妻が夫と子が会うのを嫌がり面会交流を拒否するケースはあります。

しかし,夫婦関係と親子関係は切り離して考える必要がありますので,夫婦関係が悪化し離婚の話になっている場合も,原則として面会交流は認められるべきです。
したがって,妻が正当な理由なく子どもと会わせてくれないような場合,夫としては,面会交流調停を申立て,子どもとの面会を求めていくことになります。

もっとも,同居時に妻や子どもに対して暴力や暴言などが行われていた場合や,子どもの連れ去りの危険がある場合などは面会交流が認められないこともあります。

慰謝料の問題(不貞行為等での慰謝料相場は?減額は可能か?)

夫の不貞が原因で妻から離婚を求められている場合,離婚と併せて慰謝料を請求される可能性が高いです。
慰謝料について決まった額はなく,不貞の期間や頻度,不貞発覚後の態度など諸事情を総合的に考慮して判断されることになります。
もっとも,不貞が原因で夫婦が離婚に至る場合,100万円から300万円程度になることが多いです。

不貞の態様など悪質性が低い場合には慰謝料額の減額を求めることは可能ですし,婚姻関係破綻後の不貞である場合や,不貞に至る経緯に妻側にも責任がある場合には減額を求めていくことが可能です。
そのため,慰謝料の支払いを求められた場合には支払いの必要性の有無や金額の妥当性を弁護士へに相談することが望ましいです。

養育費の問題(養育費の相場は?養育費が高くなってしまうケースとは?)

養育費は基本的に夫婦双方の収入,子どもの人数及び年齢により算定されます。

したがって,養育費を支払う側の収入が高収入である場合には養育費の金額も自ずと高額になります。
また,お子さんが私立学校や大学などに通われている場合も養育費の金額が高くなる可能性があります。

自身が有責配偶者の場合に離婚が可能か

自身が不貞を行ってしまった場合などにも妻に対して離婚を求め,認められるのでしょうか。

自身が有責配偶者になる条件

では,どのような事情があれば有責配偶者にあたってしまうのでしょうか。

有責配偶者とは,夫婦のうち婚姻関係破綻の原因を作った側を指し,基本的には,法定の離婚事由(民法770条1項)に該当する行為を行った者がこれにあたります。

民法770条1項は以下のものを離婚事由として挙げています。
⑴ 不貞行為
⑵ 悪意の遺棄:正当な理由なく同居・協力・扶助義務を怠ること
⑶ 三年以上生死不明
⑷ 強度の精神病にかかり,回復の見込みがない
⑸ 婚姻を継続し難い重大な事由がある:暴力や浪費,長期にわたる別居等

有責配偶者の場合に起こり得る問題

有責配偶者からの離婚請求は原則として認められません。

そのため,妻から離婚を拒否されるとすぐに離婚を成立させることは難しくなります。また,離婚拒否をされたうえで婚姻費用を請求される可能性があります。
この場合,婚姻費用を支払いながら相当期間別居をする必要が出てきます。

他方,仮に離婚に応じてもらえた場合であっても,妻から慰謝料を請求される可能性が高いので,支払いの有無の必要性や金額の妥当性について精査する必要があります。

有責配偶者から離婚ができるケース

裁判になった場合,有責配偶者からの離婚請求は原則として認められません

もっとも,判例では,①別居期間が両当事者の年齢及び同居期間の対比において相当の長期間に及び,②夫婦の間に未成熟子が存在しない場合には,③相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態に置かれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反すると言えるような特段の事情がない場合には例外的に有責配偶者からの離婚請求も認められると判示しています。

そこで,妻が離婚に応じてくれない場合には別居期間を積む必要があります。

他方,妻が離婚に合意している場合には,離婚をすることは妨げられないので,協議や調停で離婚の条件を決めて離婚を進めていくことになります。

男性からの離婚相談の解決事例

解決事例の一例としては下記のようなものがあります。

謂れのないDVを理由に,妻から慰謝料を求められていた離婚訴訟の案件において,別居後の妻とのやり取りの内容等から暴力の事実がなかったことを説得的に主張し,慰謝料を支払わずに離婚を成立させることが出来ました。

同事案においては,妻から基準に照らして高額な養育費の請求もされていましたが,夫婦双方の収入を正確に算定し,適正な金額に抑えることが出来ました。

当事務所が男性の離婚問題に強い理由

当事務所は女性側男性側双方の離婚事件を数多く扱っております。
そのため,ノウハウを活かして問題解決にあたることが可能です。

また,所属弁護士も男性女性ともに在籍しておりますので,双方の視点から問題解決にあたることが出来るという強みがあります。
離婚問題でお悩みの方は一度ご相談ください。