夫の不倫相手に対し、不貞慰謝料を請求し、求償権を放棄させた事案
依頼者:女性(妻)
相手方:夫の不倫相手の女性
受任から解決までの期間:約3か月
事案と結果
相手女性が依頼者の夫に対する求償権を放棄することを前提に、慰謝料130万円を一括で支払う旨の合意書を作成し、依頼者(妻)は慰謝料の支払を受けることができた事例
事案の詳細
この事案では、依頼者である妻は、夫の携帯電話へのラインの着信から、夫と相手女性との交際を疑っていました。
当所弁護士が夫のラインのトーク履歴を確認したところ、相手女性とは1年以上やり取りが継続しており、過去のやり取りにおいて、相手女性との肉体関係があったことをうかがわせる内容があることが確認出来ました。
当所弁護士は、上記のラインの履歴が、相手方女性に慰謝料請求を行うに足る十分な証拠であると判断し、また、依頼者である女性が、相手方女性の氏名や住所等、慰謝料請求を行う上で必要な情報を把握していたことから、すみやかに相手女性に内容証明を送付しました。
当初相手女性は、不貞の事実は認めたものの、慰謝料の支払いにはなかなか応じず、交渉を不成立として訴訟を提起せざるを得ない可能性が非常に高い状況でした。しかし、弁護士が粘り強く交渉を続けたところ、相手女性が依頼者に対して130万円を支払うことで合意に至ることができました。
また合意書では、相手女性に対し依頼者の夫と以後一切接触しないよう約束させるとともに、相手女性から依頼者の夫に対する求償権を放棄させる旨を明確にしました。これにより、夫と相手女性との交際の継続を阻止するだけでなく、将来的に、相手女性が依頼者の夫に対し、慰謝料の一部の負担を請求してくる可能性を回避することができました。
弁護士からのアドバイス
本事案のように、慰謝料を請求された相手(不貞相手)が、ご自身に慰謝料全額を支払った場合、将来的に、不貞相手がご自身の配偶者に対して、その一部を請求してくる可能性があります。この請求権を「求償権」といいます。
もしも不貞相手が求償権を行使した場合には、ご自身の配偶者はその請求に応じる必要があります。そのため、不貞発覚後もご自身が配偶者との婚姻を継続するならば、夫婦一世帯の財産が減少するという不利益を被る可能性があります。この際、ご自身の配偶者が不貞相手からの請求に応じなかった場合、不貞相手が訴訟を提起する可能性がるでしょう。
例えば本事案のように、依頼者である妻が、不貞相手から慰謝料請求として130万円全額の支払いを受けた場合を例にとってみましょう。
慰謝料130万円について、依頼者の夫の負担割合が80万円、不貞相手の負担割合が50万円である場合、不貞相手は依頼者の夫に対して求償権を行使して、80万円の支払を請求できることになります。
このことからすると、依頼者が不貞相手から慰謝料全額の支払いを受けたとしても、その後に求償権を行使されると、結局、依頼者の配偶者が不貞相手に金銭を支払うことになるので、当該夫婦の世帯の財産が減少してしまうことになるのです。(もっとも、本事案では、当所弁護士が作成した合意書により、不貞相手が求償権を放棄する旨を明確にしていたため、依頼者が受け得る不利益を回避することができました。)
また、不貞相手と、求償請求された側の配偶者の負担割合についてですが、個々のケースにより異なりますが、不貞相手よりも求償請求された側の配偶者の方が責任が大きくなるケースも見受けられます。
このように、「夫(妻)の不貞相手に慰謝料請求したい」とお考えの方は、不貞相手から慰謝料の支払いを受けた後の「求償権」の存在についても、十分に注意しておく必要があるのです。
当所弁護士は、依頼者の皆様のご希望に沿った結果が得られるよう、親身にサポートして参ります。遠方の方やご来社が難しい方には、ズーム等によるオンライン相談も承っております。初回のご相談は無料ですので、お困りの際にはお気軽にお問い合わせください。
具体的な慰謝料請求の流れ・相場金額や、逆に請求が難しくなってしまうケースなどについてはこちらのページで弁護士が解説しておりますのでご覧ください。
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監修者:弁護士法人西村綜合法律事務所 代表弁護士 西村啓聡 [経歴] 東京大学卒業 第2東京弁護士会登録、岡山弁護士会登録 [ご相談者の皆様へ] 離婚のご相談は,皆様にとって人生の岐路となる重大な問題です。数多くの離婚問題を解決してきた経験をもとに,皆さまにとって最善の方法を提案させていただきます。 |