離婚を請求された方へ | 離婚に強い岡山の弁護士なら西村綜合法律事務所

離婚を請求された方へ

一口に「離婚を切り出された」といっても,その状況は一人ひとり違います。

ご本人が配偶者との離婚に応じる気があるのかどうか,夫婦間でこれまで離婚について話し合いをする機会があったのかどうか,配偶者がどのような方法や離婚条件で離婚を申し立てているのかなど,置かれた状況によって取るべき最善の対応は異なります。

ここでは,配偶者から離婚を求められている方が,離婚交渉についてなんらかの対応を取ることを迫られる代表的な4つの場面を取り上げ,それぞれのケースで検討すべきことや気を付けるべきことについて説明させていただきます。

 

配偶者から離婚を切り出されただけの段階

配偶者から離婚を切り出されたとき、どうしても離婚したくない、あるいは離婚理由に納得できないという場合があるかと思います。そのような場合、配偶者が離婚したいと言っているからといって、離婚に応じなければならないのでしょうか?

お互いが離婚協議なり、調停で話し合って合意形成に至ったのであればともかく、離婚裁判においては法律で定められた離婚原因にあてはまらなければ、離婚は認められません。

ところで、とある調査によると、離婚原因のランキング一位は「性格の不一致」のようですが、基本的に性格の不一致だけで裁判所が離婚を認定することはありません。

長年に渡る別居など、婚姻関係が継続し難い重大な事由が認められなければならず、そのハードルは一般の方が思うよりも高い水準のものが設定されています。したがって、配偶者が強い離婚意思を示しているからといって、あなたがすぐにそれに応じる必要は全くありません

とはいえ、配偶者が離婚を切り出した時点で別居期間が長期に渡るなど、「婚姻関係が継続し難い重大な事由」が認められることが予想されるケースもあります。しかし、それは最終的に裁判所が判断するものであって、自らそうだと判断して離婚に応じるべきではありません

上記のようなケースであっても、なるべく有利な離婚条件で離婚できるよう最善を尽くすべきです。

 

他方、配偶者から離婚を切り出されたとき、離婚に応じてもよい、と考える場合もあるかと思います。

しかし、安易に離婚に応じてしまうと、安易に離婚を切り出した場合と同様、不利益を被る可能性があります。例えば、本来共有財産となる財産(財産分与の対象となる財産)の全部又は一部を、配偶者が秘匿したまま離婚したり、不貞やDVなど、慰謝料請求できるにもかかわらず、その点について何も取り決めないまま離婚したりする場合です。

安易に離婚に応じず、できる限り有利な条件で離婚できる方法を模索すべきです。

 

配偶者から離婚を切り出された場合、これに応じるか否かはともかく、先を見据えた冷静な判断をしなければなりません。

そのためにも、まずは離婚問題に精通した弁護士に相談し、どのような段取りで対応していくか、弁護士と一緒に戦略を練ることをお勧めします。

当事務所にも、配偶者から離婚を切り出され、どうすればよいか分からないと相談に来られる方は多いですが、それと同じくらい、「弁護士さんに相談してよかった」、「今後、どうすればよいのか明確になった」と仰る方は多いです。

一人で行動する前に、まずはご相談ください。

配偶者から離婚調停を申し立てられた場合

ある日突然、裁判所から調停の呼出状が届き、どうすればよいか戸惑う方は多いです。

調停に関する留意点については前述の2(2)を参考にしていただければと思いますが、調停を申し立てられた側(調停手続の中では、「相手方」といいます。)も、調停期日に向けた十分な準備をすることが必要です。

特に、調停を申し立てた配偶者はその時点で弁護士に委任しているケースが多く、しっかりと準備しておかないと、調停が非常に不利に展開する可能性があります。

配偶者から調停を申し立てられた場合、すぐに弁護士に相談し、どのように調停を進めていくべきかをしっかりと検討することが重要です。

突然、配偶者が家を出て行ってしまった場合

突然、配偶者が家を出ていき、別居が開始したというご相談がしばしば見受けられます。

このような場合、後に弁護士から手紙が届き、離婚を求められるということがあり得ます。つまり、配偶者は同居中から水面下で離婚に向けた諸々の準備をし、準備を整えた上で別居している可能性が高いのです。当然、弁護士などの専門家にも相談しているでしょうし、場合によっては同居中すでに弁護士に委任をしていたということもあり得ます。

配偶者がそのように周到に準備をしている以上、こちらも弁護士に相談し、早急な対応を取らなければ、離婚協議や離婚調停における主導権を奪われてしまいます。

配偶者が突然家を出て行ったことに戸惑うのはやむを得ませんが、一日でも早く弁護士に相談し、対応策を検討してください。

 

配偶者との折り合いが悪くなった(配偶者が離婚を考えているかもしれない)場合

離婚問題は、いつ顕在化するか分かりません。

前述のように、ある日突然配偶者が別居するなどして顕在化することもあり得ます。

もし、配偶者が離婚を考えていることが事前にわかれば、来るべき離婚協議や離婚調停に備えて、こちらも配偶者の財産や収入関係を把握したり、子供をどうしようと考えているのかを探ることもできます。

夫婦関係が悪く、相手方に少しでも別居の兆候が見られたような場合には、まずご相談ください。別居されてしまってからでは対応できないことでも、事前になら準備できますし、心構えも作れます。

すでに相手が出て行ったという場合はもちろん、出ていく兆候があるという場合にも、できるだけ早期に、離婚問題に精通した弁護士に相談し、戦略を練ることが大切です



監修者:
弁護士法人西村綜合法律事務所 代表弁護士 西村啓聡

[経歴]
東京大学卒業
第2東京弁護士会登録、岡山弁護士会登録

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