別居が長期間に渡って続いたら離婚はどうなる?素早く離婚できるケースとできないケース、原因別の解説
離婚は夫婦間の問題を解決する最終手段の1つです。しかし、離婚とまではいかず、時に別居が続いてしまうケースもあります。一般的に別居とは、夫婦が同じ居住空間を共有せず、別々の場所で生活することを指します。これは離婚とは異なり、法的な手続きは不要です。
別居は、夫婦の問題を先延ばしにする場合や、休息期間として利用されることもありますが、長期化すると離婚を考えるきっかけとなります。
今回は、別居が続いている場合の離婚について詳しく解説していきます。
目次
夫婦が長期間の別居となってしまう原因について
長期間別居となる原因は様々ですが、主に以下の3つが挙げられることが多いです。
①不倫がきっかけで別居状態になった
②離婚条件が合わずに別居状態が続いている
③子どもが大きくなるまで離婚を待っている
不倫がきっかけで別居状態になった
不倫がきっかけとなって別居状態へと至るケースはめずらしくはありません。
いったん別居をすることで、不倫をした側は反省と誠実な気持ちを相手に伝え、不倫をされた側がそれを許せるのであれば、別居状態の解消が望めます。しかし、どちらか一方が欠けてしまえば別居状態の解消は難しく、長期に及んでしまうことがあります。
離婚条件が合わずに別居状態が続いている
離婚については夫婦間で合意しているものの、離婚条件が合わずに別居状態が続いているといったケースもよく見受けられます。すでに離婚については合意しているため、夫婦が同居し続ける理由がありません。しかし、子どもの親権や養育費の問題、財産分与、慰謝料などについて折り合いがつかないでいると、長期間の別居が続くことがあります。
先に離婚届だけ提出してしまうという解決策もあるにはありますが、離婚条件が曖昧になってしまう恐れがあるため、あまりお勧めできません。
子どもが大きくなるまで離婚を待っている
子どもにとって両親の離婚は、心に大きな影響を与えかねない問題です。特に、小中学生の年齢ともなれば、思春期も相まって心に大きな傷を負ってしまう恐れもあります。そこで、子どもが大きくなるまで離婚はせず、別居状態を続けているという夫婦もいます。
この場合は物理的な別居ではなく、家庭内別居となっている夫婦も多くいるようです。
別居期間が長くなっても自動的には離婚にならない
別居期間が長いだけで、自動的に離婚が成立するわけではありません。
別居自体は、離婚を意味するものではなく、単に夫婦が別々の居住空間で生活しているだけにすぎません。離婚を成立させるためには、「協議離婚」、「調停離婚」、「裁判離婚」のいずれかの手続きを取らなければなりません。また、離婚が成立しない限り、夫婦間の婚姻費用は発生し続けることになります。収入の少ない側(もしくは専業主婦・主夫)は、別居中の相手に対して、婚姻費用の請求が可能です。婚姻費用を支払う側は、支払いをしないでいれば悪意の遺棄であるとして、慰謝料の支払い義務が発生する危険もあります。
いずれにせよ、長期間別居は金銭面の問題だけでなく、新たな相手と交際をスタートさせる上でも弊害にしかなりません。早々に離婚手続きを進めていくことが理想です。
問題なく離婚できるケース
夫婦の別居期間が長引いていたとしても、以下のようなケースであれば問題なく離婚することができます。ご自身の状況に当てはめて、うまく活用してみてください。
相手が同意して協議離婚する
相手が離婚に同意しているのであれば、離婚届を作成し、役所に提出することで協議離婚が成立します。協議離婚は双方が離婚に同意していれば手続き可能であるため、離婚理由が問題になることはありません。問題なく離婚できるケースの1つです。
家庭裁判所を利用して調停離婚する
相手が離婚に同意していたとしても、離婚条件等についてしっかりと話し合いをしたいのであれば、家庭裁判所を利用して調停離婚をするという方法もあります。調停手続きでは、家庭裁判所から選任された男女1名ずつの有識者が話し合いに参加してくれるため、離婚条件についてもお互い納得のいく内容になる可能性が高くなっています。
相手が納得していれば別居とは無関係に離婚できる
以上のとおり、相手が納得していれば別居とは無関係に離婚することが可能です。
相手が納得している以上、別居期間はまったく関係ありませんし、極端な話では別居期間が数週間と短いものであったとしても、問題なく離婚することが可能となっています。
早期の離婚が難しいケース
早期の離婚が難しいケースは、様々な理由によって発生します。
以下にいくつか早期の離婚が難しいケースを挙げてみました。以下に該当する場合は、離婚問題のプロである弁護士への相談を検討してみてください。
不倫問題が生じている
不倫問題が生じていて、配偶者の不倫を原因として離婚を検討している場合、証拠の収集など、離婚手続きに困難が伴います。また、現時点では不倫の確たる証拠が手元になかったり、相手が不倫を認めていなかったりといったケースは、話し合いが難航することがあります。
子どもの親権で揉めている
子どもがいる夫婦の場合、親権問題は離婚手続きにおいて感情的になりやすく、トラブルになりやすい問題です。親権の決定や面会交流の取り決めについて合意に達しない場合、離婚自体には揉めていなかったとしても、難航するケースが多々見受けられます。子どもの問題は、夫婦間の話し合いだけでは解決が難しく、裁判所の判断が必要となることもあります。
精神的な問題がある
夫婦の一方、または双方に精神的な問題がある場合、適切な判断や決定を下すことが難しくなります。精神的な問題が離婚の原因である場合には、専門的な治療だけでなく、弁護士の介入といった法的手続きへのサポートを充実させることも重要です。
別居が続いている中で離婚されたい方は弁護士にご相談ください
別居が続いている中で離婚を希望する方は、弁護士への相談からはじめてみましょう。
弁護士であれば、法的手続きのサポートだけでなく、経験と知識を交えた上で、個々の事情に適したアドバイスが可能です。特に早期の離婚が難しいケースに該当している方は、個人で離婚手続きを進めていくのは簡単なことではありません。
当事務所には、離婚問題に精通した弁護士が在籍しております。相手方との交渉はもちろん、調停・裁判といった手続きだけでなく、金銭面や子ども問題といった離婚の全体像を見据えたサポートが可能となっています。まずはお気軽にお電話からお問い合わせください。
監修者: 弁護士法人西村綜合法律事務所 代表弁護士 西村啓聡 [経歴] ![]() 東京大学卒業 第2東京弁護士会登録、岡山弁護士会登録 [ご相談者の皆様へ] 離婚のご相談は,皆様にとって人生の岐路となる重大な問題です。数多くの離婚問題を解決してきた経験をもとに,皆さまにとって最善の方法を提案させていただきます。 |