公務員の離婚について 気を付けるべきことは?

 

公務員の離婚のポイントは?

最近では法改正により、民間の会社員の方との違いが小さくなっていますが、公務員特有の制度もあるため、正しく認識しましょう。

財産分与について

公務員の財産分与について注意したいのは、「共済貯金」と「退職金」についてです。それぞれについて説明します。

一般の財産分与については、こちらの記事をご覧ください。

共済貯金について

常勤公務員の方は共済組合という社会保険組合に加入します。この共済組合というところは公務員向け福祉事業の一つとして共済貯金という制度を運用しています。共済貯金とは文字どおり貯金制度であり、毎月の給与から一定額を天引きして積み立てます。この共済貯金の利率はかなり割高であるため、公務員の方は、これを利用して資産形成されているケースが多いです。

したがって、公務員の方との離婚を検討される場合、民間銀行の預貯金のみならず、この共済貯金の分与請求を漏らさないように気を付けたいところです。

退職金について

退職金は、そもそも財産分与の対象となるかどうかの議論があります。なぜなら、勤務者の病気・事故や自発的辞職、勤務先の倒産といった可能性があり、将来受け取れるかどうかが不確実だからです。そのようなものを財産分与の対象に含めるのは問題がある、という意見もあります。一方で、退職金も賃金の一種であり、ただ後払いされる点が異なるだけで、夫婦共同で形成した財産であるとも言えます。基本的には受給の可能性が高い場合に、財産分与の対象とすることが認められています。

公務員の場合、勤務先の倒産はほぼあり得ないといえます。仮に自己都合で早期退職するとしても、勤続年数に応じた退職金がもらえることはほぼ確実といえるでしょう。そのため、通常の場合より退職が先でも、退職金を財産分与の対象にすることが認められる可能性が高いです。

年金分割と差押えについて

以前は、公務員は共済年金が加入先になっていたため、、年金分割という手続をするときに念頭に置く必要がありました。しかし、制度改正により、平成27年10月以降は厚生年金に統合されたため、民間の会社員と同じように考えられます。

また、以前は、公務員は安定した職業のため転職する方が少なく、給与の差押えが失敗しにくいといわれていました。しかし、令和元年の民事執行法の改正により、離婚時に支払義務者が転職していた場合にも情報を取得できる手続が創設されたため、この点についても、今はほとんど違いがありません。

共働きのケース

前述した注意点は、基本的に、公務員の方のほうがパートナーの方より資産が多いことが前提です。

昨今では共働きのご家庭も増えてきているため、パートナーの方が民間企業でキャリアを築いている等の場合、公務員の方に対して財産分与を請求したらかえってこちらが財産を手放す羽目になった、ということもあります。したがって、離婚に向けて動き出す前に相手方の財産状況を把握しておくことも、戦略として必要になってくるでしょう。

まとめ

以上のように、公務員の方の離婚には押さえておくべきポイントがあります。また、近時は法改正もたびたび行われているためネット上で得た知識が不正確だった、ということもあり得ます。

お困りの際は、弁護士へのご相談もぜひ検討してみてください!

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